施設紹介
https://maizuru.hosp.go.jp/
【病院概要】
舞鶴医療センターは、京都府北部の若狭湾に面した舞鶴市にあります。舞鶴市は、港湾都市であり週3回舞鶴港より北海道の小樽港行きのフェリーが発着しています。また、舞鶴港では、第二次大戦後の昭和20年10月より昭和33年まで13年間にわたり海外(旧満州、中国、樺太、千島列島)からの引揚者66万人を迎え入れた歴史をもっています。
当院は、明治34年に舞鶴鎮守府の海軍病院として創設され、昭和16年に現在の地に移転されました。終戦後は、舞鶴鎮守府病院として引揚患者の上陸第一病院に指定され、引揚患者の収容治療や転送の第一業務を担いました。このように近代日本史とともに歩んできた歴史的背景をもつ病院ですが、平成16年4月の国立病院の独立行政法人化に伴い、「独立行政法人国立病院機構舞鶴医療センター」に名称変更され現在に至ります。
当院の特徴ですが、精神科病棟(病床数120)を持つ精神医療に関する基幹医療施設であり、国立病院機構近畿グループの医療施設の中心的役割を担っています。また、SCU6床を有し、京都府中丹医療圏における救急センターとしての機能も果たしています。その他、京都府がん診療連携病院、エイズ治療拠点病院、認知症疾患医療センターにも指定されており、京都府北部だけでなく北近畿・若狭地方西部における地域中核病院として機能しています。
【薬剤部概要】
薬剤部は薬剤部長、副薬剤部長、主任4名(調剤主任、薬務主任、治験主任、製剤主任)、薬剤師7名、薬剤助手2名の15名で構成されています。当センターでは平成26年9月よりSCU、NICU、精神科急性期病棟を除く7病棟に専任薬剤師を配置し、病棟薬剤業務実施加算の算定を開始しました。平成29年4月からは、SCU、NICUに対して病棟薬剤業務実施加算2の算定を開始し、急性期病棟においても薬剤師の職能を生かすべく活動を開始しています。院内の多岐にわたるチーム医療(PCT、ICT、NST、認知症ケアチーム、褥瘡、嚥下)にも積極的に参画しており、多職種との連携強化も図っています。平成30年には、原子力災害対策整備が完了、緩和ケア病棟の運用開始、脳神経センター部が新設されました。同年の入退院センター運用開始に伴い薬剤師による患者面談を行い、手術時や検査時に中止する医薬品の確認を行い地域薬局と連携しシームレスな薬剤管理に努めています。令和3年5月よりがん薬剤師外来を開始し外来でがん化学療法を受ける患者さんへの治療支援を行っています。同時期より連携充実加算の施設基準を取得し、外来がん化学療法の質の向上と、保険薬局との連携を強化する目的で、治療レジメンの内容などを記載した情報提供書を患者に配布して、保険薬局や当院職員を対象にした研修会を定期的に開催しています。地域の保険薬局と連携して安全な薬物療法にも貢献しています。「疑義照会事前同意プロトコル」を導入し、処方変更については、代行修正を行い、医師の業務負担軽減に貢献しています。また、日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師研修事業の研修受け入れ施設として、教育研修にも努めています。当院の薬剤師は舞鶴市薬剤師会にも所属し、近隣の病院薬剤師や薬局薬剤師と親睦を図りながら薬薬連携にも取り組んでいます。さらには、舞鶴市教育委員会より当院の5名の薬剤師が学校薬剤師として委任されており、学校環境衛生の向上や改善に貢献すべく活動しています。
(文責:原 伸好)