近畿国立病院薬剤師会
Society of Kinki National Hospital Pharmacists

施設紹介

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独立行政法人国立病院機構 やまと精神医療センター
(旧 松籟荘病院)
https://yamato.hosp.go.jp/

当センターは、精神障害、重症心身障害を対象とする精神科専門医療機関です。我々は、地域との調和を元に、生命の尊厳と人権を守り、患者様の視点に立った良質な医療の提供に努めます。

【病院概要】

当センターは近畿グループで唯一の精神科医療専門病院です。奈良市から南西方向にあたる大和郡山市の丘陵地帯に位置しており、付近には松尾寺・慈光院や「斑鳩の里」に法隆寺・中宮寺等の名所旧跡が多く存在しています。敷地内には史跡「笹尾古墳」があり、周囲を木々に囲まれ、環境は極めて閑静であり、精神疾患患者の治療・療養に好適な条件を具備しています。当センターは昭和42年4月に結核療養所から精神科医療に機能転換し、平成23年4月松籟荘病院からやまと精神医療センターに改称しました。

診療機能として、精神科救急・応急入院指定病院、認知症疾患、結核合併精神疾患、動く重症心身障害(入院及び通所)、精神科リハビリテーション医療、医療観察法に基づく医療等に特色ある医療を行っています。また、一般精神疾患においては、統合失調症、双極性障害、神経症、認知症、心身症、発達障害等幅広い診察を行っています。

やまと精神医療センターを上空から撮影した写真
『医療法許可病床数』283床
1-1病棟(精神閉鎖病棟)44床、1-2病棟(精神療養病棟)54床
2病棟(結核等身体合併症病棟)50床
3病棟、4病棟(重症心身障害児(者)病棟)各50床
5病棟(医療観察法病棟)35床

【薬剤科概要】

薬剤科は、薬剤科長、常勤薬剤師2名の計3名の構成です。

1.調剤業務

精神科医療は精神療法も有益ですが、ほぼ患者全員が薬物療法に携わります。医療安全に徹した調剤が必然で、コンプライアンスを考慮して、外来も含めて大半の処方が一包化調剤となります。処方監査では前回処方と比較して投与量の増量、減量または継続を確認しています。

2.薬剤管理指導

医師の指示が発出すれば、退院までの間、薬剤管理指導を実施します。抗精神病薬や気分安定薬はハイリスク薬になり体重増加、錐体外路症状の出現頻度、プロラクチン値の変化、QTc間隔延長、鎮静などの副作用を確認します。服薬アドヒアランスを高く維持することが再発率の低下のために重要になります。入院時には持参薬鑑別を実施しています。

3.チーム医療

ICT、NST、褥瘡対策チームに薬剤師が関与しています。抗精神病薬は血糖値上昇傾向になることが多く、NSTチームの多職種関与が有益であります。

4.地域連携

家族会、服薬教室など地域連携にも携わっています。家族会、服薬教室は患者本人や患者のご家族を対象に精神疾患について理解を深めて頂くことを目的としており、様々な職種とともに開催されます。薬剤師はお薬の役割・重要性を知って頂く、お薬に対する疑問にお答えすることでアドヒアランスの向上に努めています。

また、令和5年1月には奈良医療センターとともに、飛鳥薬薬連携協議会を発足し、KLECのエージェンシーとして活動を開始しました。

やまと精神医療センターの外観の写真

(文責:今本 京大)